
脳神経内科医、医学博士(九州大学)
重症筋無力症(Myasthenia Gravis: MG)は、外見からは分かりにくく、誰にも気づかれずに日々を過ごしておられる患者さんが多くいらっしゃいます。私は長年、MGの診療・研究に携わるなかで、「治療を提供する」だけでなく、「その人の人生をともに歩む」という視点が極めて大切であると強く感じています。
このたび、若い世代の皆さんが主体となって、MGへの理解を深め、支え合う活動を進めておられることを大変心強く思います。この活動が、MGと向き合う若手医療従事者の学びの場となると同時に、患者さん・ご家族の希望となりますよう心より応援しています。

医学博士(昭和大学、「筋・神経系疾患に対する公衆衛生看護学的研究」)、看護師、保健師
このたび、重症筋無力症(MG)をもちながら大学で学んだり、仕事を続けたりしておられる若い方々からお話をいただき、皆様の活動を知りました。半世紀も前に、この病気の方々が友の会をつくるときにお手伝いしたことを思い出し、あのころから医学も進んだのに、まだこうした努力が必要なのだと改めて思い起こしました。
MGは他の病気と違う特徴をもち、一般的には想像しがたい症状があるため、これを社会が理解し、若者たちを支援する環境をつくっていくことに賛成し、微力ですが、お手伝いしたいと考えております。

人間科学修士(早稲田大学)、専門理学療法士(小児・呼吸・心血管・糖尿病・神経)
認定理学療法士(神経障害・呼吸・代謝)、呼吸療法認定士、介護支援専門員
重症筋無力症(Myasthenia Gravis: MG)は、神経筋接合部の自己免疫異常によって筋力低下を生じる疾患であり、この十数年で、抗体の種類や病態に応じた分子標的治療薬の開発が進み、症状コントロールの可能性は大きく広がりました。
しかし現実には、診断までに長い時間を要する症例、未知の抗体により進行する病態、日常的な症状悪化に直面する患者が今なお存在します。加えて、MGはしばしば就学・就労・結婚・妊娠・子育てといった重要なライフステージに発症することが多く、再発への恐れや社会的理解の乏しさが、患者の人生設計に大きな影響を及ぼしています。症状が目に見えにくいため、周囲に理解されず孤立してしまうこともあり、その背景には医療者・社会双方の「見えない疾患」に対する想像力の不足があります。
このような現状に対して、「重症筋無力症かけはし基金」は、患者自身の経験を医療・研究・教育の現場に届け、患者の声を社会と医療をつなぐ”新しい知の基盤”として可視化する取り組みです。この構想は、医学の枠を超え、患者と医療者が共に学び合う文化を育てるものとして極めて意義深いと考えます。
私は、神経筋疾患のリハビリテーションを専門とする立場から、本基金の設立趣旨に深く賛同し、またその理念と活動を心から応援しています。患者の声を出発点に医療を再構築していく姿勢は、すべての医療分野に共通する原点であり、この活動が将来、より包括的で人間中心の医療を築く”かけはし”となることを強く期待いたします。
研究活動においては、科学研究費補助金(科研費)をはじめとする公的助成を複数採択し、さらに呼吸リハビリテーション機器の安全性評価や支援技術に関する特許を取得するなど、臨床現場で生まれた課題を研究開発・社会実装へとつなげている。医療現場に根ざした患者中心のリハビリテーションを基盤に、多職種・行政・患者会を結ぶ協働モデルの構築を通じ、神経難病医療の未来を拓いている。
